くらしに寄り添う寺
実相(じっそう)とは、実際のあるがままの姿のことを言います。
仏教の教えが本来生きている私達のためにあり、お経が日常を穏やかに過ごすための言葉であるように、
当寺はその名の通り今を生きる皆さんの暮らしの支えとなり、拠り所となるお寺でありたいと思っています。
實相寺について
みどころ
天狗像
本堂外陣に祀られている「大天狗」は昔、讃岐(香川県)のある神社にあった時、神主の夢枕に三日三晩立ち「大和の実相寺へ行きたい」と願ったそうです。そこで神主は「天狗」を箱に入れ、はるばる大和まで持参したところ、実相寺の住職も天狗が「実相寺へ置いて呉れないか」と云っていた夢を見ていたということで、二人の間で話がまとまり、「天狗」の願い通り「実相寺」に祀られるようになったそうです。数年前までは4月14日に天狗祭りが開催されていました。
扁額
本堂内陣正面に掛っている扁額は大和郡山城主の柳澤信鴻の筆によるもので、大和郡山市の文化財に指定されています。欅(けやき)材で、縦79cm、横140cmの中に右から草書体で「実相寺」と書かれています。
寺宝の「三部経一巻」も柳澤信鴻の自筆で、大名写経として貴重なものです
歴 史
無漏山と号し、浄土宗知恩院末。慶長年間(1596-1615)中井主水(徳川家康に大工の棟梁として召しかかえられていた名大工)が正誉上人を開基として建立したと伝えられています。
また、中井家の菩提寺。境内に元和3年(1617)の寺地間殺生禁制の石碑があることから、このころに寺観も整備したものと思われます。
本尊の木造阿弥陀如来像は鎌倉時代初期に造立されたもので、元々法隆寺方面にあったものを移したといわれています。
現本堂は桁行15.3m、梁間15.79m、寄棟造、向拝一間、本瓦葺き。寺蔵の過去帳によると慶安4年(1651)の建立と推定されます。内陣正面の扁額は柳澤信鴻(香山・郡山藩第2代藩主)の筆で、市指定文化財となっています。扁額には「新羅三郎二十二世後孫」などの篆刻がほどこされています。
信鴻が隠居して郡山を離れた後も、母の菩提寺として実相寺に深く帰依していたことを窺わせます。
境内にある十三重石塔は総高約4m、初重軸部に四仏を彫り出した鎌倉末期のものです。小堂には阿弥陀三尊の箱形石仏(室町初期)があります。
寺宝の信鴻自筆の三部経一巻は、大名自筆の写経として貴重な経巻で、亡母能生院の手紙をすき込み、表裏に三部経を自書として一巻装とし、桐箱に納めています。巻子装(かんずそう)。経巻末に「寛政元年己酉九月日拝写了、右以母氏能生院一乗貞心大師所賜書犢写浄土三部経」の奥書があります。
浄土三部経とは、無量寿経・観無量寿経・阿弥陀経からなる、極楽浄土へ往生する旨を阿弥陀仏が説いた経典です。浄土宗の開祖とされる法然はこれらの経典を「浄土三部経」と名づけました。
墓地には森規致(墓誌は柳里恭の撰)・森信門(墓誌は伊藤錦夫の撰)・森規右・佐藤三左衛門・宇野源四郎等の墓があります。
山号
無漏山
寺号
實相寺
所在地
〒639-1142 奈良県大和郡山市矢田町通38
アクセス
JR郡山駅より 徒歩5分 / 近鉄郡山駅より 徒歩7分
行事・お知らせ
令和2年 8月3日
お盆施餓鬼法要
亡くなったご先祖さまやご家族の供養を行うのと同時に、無縁仏や餓鬼への施しを行います。
日程は近日公開
秋季彼岸会
ご先祖さまに感謝の気持ちを込めてお墓参りをし、「六波羅蜜(ろくはらみつ)」を実践する期間です。
日程は近日公開
十日十夜別時念仏会
毎夜6時半から阿弥陀仏を念じ、阿弥陀如来の法恩に感謝いたします。